夫又は妻がうつ病の場合の離婚

夫又は妻がうつ病の場合の離婚

1 うつ病とは?

憂うつな気分や様々な意欲が低下する抑うつ気分が強い状態を抑うつ状態と言い、この抑うつ状態がある程度以上重症である場合を、うつ病とよんでいます。

うつ病の分類の仕方には幾つかの方法がありますが、代表的なものとしては、①外因性あるいは身体因性、②内因性、③心因性あるいは性格環境因性、の3つに分類できます。

  1. 外因性あるいは身体因性のうつ病とは、アルツハイマー型認知症のような脳の病気、甲状腺機能低下症のような体の病気、副腎皮質ステロイドなどの薬剤がうつ状態の原因となっている場合を言います。
  2. 内因性うつ病とは、典型的なうつ病です。抗うつ薬が効くことが多く、治療せずとも一定期間内に良くなると言われています。
  3. 心因性うつ病とは、性格や環境がうつ状態に強く関係している場合です。

このような分類方法の他、アメリカ精神医学会はDSM-Ⅳという診断基準を出しています。

2 うつ状態の症状

自分で感じる症状としては、憂うつ、気分が重い、気分が沈む、悲しい、不安、イライラする、元気がない、集中力がない、好きなこともやりたくない、細かいことが気になる、悪いことをしたように感じて自分を責める、物事を悪い方へ考える、死にたくなる、眠れないといったものがあります。

周囲からみて分かる症状としては、表情が暗い、涙もろい、反応が遅い、落ち着かない、飲酒量が増えるといったことがあります。

体に出る症状としては、食欲がない、体がだるい、疲れやすい、性欲がない、頭痛、肩こり、動悸、胃の不快感、便秘がち、めまい、口が渇くといったことがあります。

このような症状がみられる場合には、うつ病の可能性を考えてみて下さい。

3 治療法

まずは、①外因性あるいは身体因性うつ病かどうか、検討します。①に該当しない場合には、うつ状態が一定の基準をみたす場合には、抗うつ薬療法を考えますが、うつ病が軽症である場合には、抗うつ薬がそれほど有効ではないとの報告もありますので、有効性と副作用を慎重に検討する必要があるようです。
(以上、1~3は、厚生労働省のHPを参考にしています。)

4 あなたの夫又は妻がうつ病の疑いがある場合

あなたの配偶者が、最近、表情が暗い、涙もろい、反応が遅い、落ち着かない、飲酒量が増えている、といったことはありませんか。そうこうしているうちに、例えば、ある日突然、仕事に行きたくないと言って会社に行かなくなってしまった、家事ができないと言って家の中がゴミだらけになっている、「自分はダメな人間だ」「生きてる価値がない」「死にたい」などと繰り返し言う、といったことで悩むようになっていませんか。また、配偶者がうつ病ではないかと疑っても、本人が病院に行ってくれない、子どもが影響を受けている、などといったことで困っていませんか。

配偶者が病気の時こそ支えていかなければいけない、そう思う気持ちが、かえってあなたを苦しめてきたのではないでしょうか。

もちろん、配偶者がうつ病で苦しんでいる時こそ、家族で支え合い困難を乗り越えていくことは、普通は望ましいことと捉えられますし、うつ病の配偶者からはそのような期待もされるでしょう。しかし、その困難は、今の家族の形のままで、今後、乗り越えられるものなのでしょうか。あるいは、配偶者のうつ病だけが、現在の困難な壁となっているのでしょうか。

あなたの困り事は本当は何なのか、もう一度、よく考えてみてください。

5 夫又は妻がうつ病の場合、離婚できる?

民法770条1項は、裁判上の離婚ができる場合を挙げています。4号は「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」と定めていますが、2項で、「裁判所は、前項第1号から第4号に掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。」と定めていることにも注意が必要です。

うつ病が4号に該当するためには、配偶者が強度の精神病にかかっていること、また、回復の見込みがないことの立証が必要です。さらに、2項を根拠に、強度の精神病で回復の見込みのない場合でも、諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活等についてできるかぎりの具体的方策を講じ、ある程度において、前途にその方途の見込みのついた上でなければ、直ちに婚姻関係を廃絶することは不相当と認めて、離婚請求を許さないとした最高裁判例があります(最高裁昭和33年7月25日判決、最高裁昭和45年3月12日判決)。そのため、うつ病であることだけで離婚をすることは、通常は難しいでしょう。

他方、民法770条1項5号は、裁判上の離婚ができる場合として、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」を挙げています。ですので、配偶者がうつ病であるということだけではなく、その他の事情をいろいろと併せ、離婚事由の存在を主張、立証していくことが必要となります。

6 弁護士に相談を!

もし、夫又は妻がうつ病の疑いがある場合で、その他の事情もいろいろと検討した上で、このような相手方とは婚姻関係を継続できないと思ったら、弁護士にご相談されることをお勧めします。こんなことで相談しても良いのか迷われる方もおられるかもしれませんが、離婚事由について経験豊富な弁護士に相談しておくことで、今後、ご自分が採るべき方向性について、必要なアドバイスを受けることができます。

離婚するかどうかに拘わらず、ぜひ、お早めに弁護士にご相談ください!

ご利用方法

相談のご予約

まずは、お電話で法律相談のご予約をお取り下さい。

ご相談予約電話番号 
0742-81-3323

相談に関するご希望等(相談時間、担当弁護士等)がございましたら、ご予約の際にお伝え下さい。

なお、弁護士が相手方から既に相談を受けている場合や、その他相談に応じることに支障がある場合には、相談をお断りする場合があります。

弁護士による法律相談

予約された日時に、当事務所へお越し下さい(電話やメールによる相談は行っておりません)。

弁護士が相談に応じます。

弁護士には守秘義務がありますので、秘密は固く守ります。

相談の結果、弁護士に依頼されるかどうかは、相談者の皆様の自由です。当事務所から、相談者の皆様の意に沿わない勧誘を行うことはありません。

離婚相談シート ダウンロード (PDF file)

ご依頼

相談の結果、弁護士に依頼されることを希望される場合には、その旨ご連絡下さい。受任させていただく場合には、ご要望に応じ、見積書を作成いたします。その後、内容をご検討の上、ご依頼されるかどうかお決め下さい。

ご利用方法の詳細はこちらから
ご予約・お問い合わせはこちらへ
ご予約・お問い合わせはこちらへ
相談予約受付中 0742-81-3323
メールによるお問い合わせ

アクセスマップ

住所

〒631-0824 奈良市西大寺南町8番33号 奈良商工会議所会館1階
TEL 0742-81-3323 
FAX 0742-81-3324

電車

近鉄「大和西大寺駅」南側より徒歩3分。
近鉄「大和西大寺駅」の中央改札口を出て、右方向(南側)に進み、地上まで降ります。
バスロータリーから南に向かって直進し、一つ目の信号を越えた左手に「奈良商工会議所会館」のビルがあります。
その1階に弁護士法人ナラハ奈良法律事務所があります。

自動車

阪奈道路(高架下)から「菅原東」の交差点を曲がり、「大和西大寺駅」方面(北側)に向かって道なりに進みます。
「大和西大寺駅」南側のバスロータリーより一つ手前の信号の右手に「奈良商工会議所会館」のビルがあります。
その1階に弁護士法人ナラハ奈良法律事務所があります。

《駐車場について》
ビルの来館者用駐車場に空きがあれば無料でご利用いただけますが、空きがない場合は周辺のコインパーキングをご利用ください。


Copyright(c) NARAHA legal profession corporation. All Rights Reserved.
0742-81-3323メールLINE