離婚相談に詳しい奈良の弁護士ならナラハ奈良法律事務所 TOP > 女性のための離婚相談 > モラル・ハラスメント > モラハラを理由に離婚できるか
モラルハラスメントは、ドメスティックバイオレンス(DV)のうちの精神的暴力に区別できます。ドメスティックバイオレンス(DV)とは、配偶者や恋人など、親密な関係にある人から振るわれる暴力のことをいい、この暴力には、身体的暴力のほか、精神的暴力、性的暴力、経済的支配、社会的隔離などが含まれます。モラルハラスメントは、殴る・蹴るといった暴力ではないので、夫または妻からモラハラを受けているかどうかは、自覚しにくいです。
それでも、あなたが、モラハラを受けているかもしれないと気付いたら、モラハラ加害者と離婚した方が良いかどうか、考えるようになるでしょう。
そもそも、モラハラを理由に離婚できるか、ということの前に、もう少しモラハラとは具体的にはどのようなことか、見ていきましょう。
まず、DV防止法1条は、
この法律において「配偶者からの暴力」とは、配偶者からの身体に対す る暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものを いう。以下同じ )又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(以下こ の項及び第二十八条の二において「身体に対する暴力等」と総称する )をいい、配偶者からの身体に対する暴力等を受けた後に、その者が離婚をし、又は その婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き 受ける身体に対する暴力等を含むものとする。 」
と定めています。
モラハラは、DVのうち精神的暴力を言いますので、DV防止法の定義でいうと、「身体に対する暴力に準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」のことを言います。ですから、あなた自身が、夫又は妻の言動により、心身にダメージを受けているのであれば、モラハラに当たるといえるでしょう。
これまで、相談者の方からお話をお聞きした中では、「ゴミ、クズ、人間としての価値がない。」「俺と同じ金を稼いでこい。」「誰のおかげで食えていると思っているんだ。」「俺(又は私)を怒らせる、お前(又はあなた)が悪い。」などと言われたり、無視されたり(長い場合には数か月から数年に及びます)、親族や友人と会うことを制限されたり、用意した食事をわざと食べなかったり、必要な生活費を渡さないなどといったものがありました。このようなこと、あるいはまた別の態様の事柄であっても、相談者の方のお話を伺っていますと、心にダメージを受けるのは当然のことだと感じることが多いですし、場合によってはよくここまで我慢されているなと驚くこともあります。
まずは、協議離婚できるかどうか、相手と話し合いを行うことになるでしょう。もっとも、モラハラ加害者が相手ですから、スムーズな話し合いは難しいかもしれません。
話し合いができないか、話し合いをしても離婚の合意に至らなかった場合には、家庭裁判所に離婚調停を申し立てる必要があります。調停では、裁判所の調停委員が間に入って話し合いを調整してくれますので、相手と直接話をする必要はありません。
残念ながら家庭裁判所の調停でも離婚できなかった場合には、離婚訴訟を提起することになります。離婚訴訟では、民法770条の離婚事由を満たすかどうかが判断されることになります。
民法770条1項は、「夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。」と定め、1号から5号まで次のような離婚事由を挙げています。
民法770条2項は、「裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。」と定めています。
モラハラ被害を受けているということは、1号から4号の中にはありませんので、5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当するかどうか検討する必要があります。
モラハラ被害というのは、身体的暴力を振るわれたとか、不倫をされた、というのとは異なり、客観的な証拠が得られにくいといえます。それでも、日ごろの配偶者の言動を録音しておく、ラインやメールなどの証拠を保存しておくなどして、可能な限り第三者である裁判所に分かってもらえるような準備をしておくと良いでしょう。モラハラ被害に加え、相当期間の別居等の他の事情も考慮されて、5号に該当すると判断される可能性があります。
夫又は妻からモラハラを受けているように思うが、自分に自身がない、自分は夫又は妻の言う通りダメな人間だ、どうして良いか分からない、そうあなたが思うのは自然なことです。でも、あなた自身は何も悪くありません。あなたの今の環境、モラハラ被害を受け続けている状況は、あなたが思っている以上に過酷なのです。
あなたが、モラハラ加害者との離婚を希望されるのであれば、早期に弁護士にご相談いただき、今後、どのような方針、手続をとって、離婚を目指すのか、法的なアドバイスを受けていただいた方が良いでしょう。なお、弁護士には守秘義務があり、弁護士に相談した内容が、相手に漏れることはありません。また、弁護士があなたの意向に反して、弁護士に依頼するよう勧誘したりすることは、一切、ありません。
あなたが、弁護士にご相談された上で、依頼していただくと、主に次のようなメリットがあるでしょう。
モラハラを受けていて精神的にまいっている、モラハラを受けていると思うが自分が悪いかもしれないなど、モラルハラスメントでお悩みの方は、一人で悩まず、弁護士にご相談されることをお勧めします。モラハラ被害は、我慢していても改善しないどころか、悪化していきます。当法律事務所では、初回60分無料でご相談をお聞きしています。女性弁護士が親身にお話を伺いますので、安心してご相談ください
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相談に関するご希望等(相談時間、担当弁護士等)がございましたら、ご予約の際にお伝え下さい。
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